【分析】再生可能エネルギーにおける風力発電と地産地消エネルギー

「再生可能エネルギーの種類について知りたい」
「風力発電のメリットは?」
「洋上風力発電について星野敦社長に聞きたい」

20世紀は人類の技術が大きく進歩した100年でもありましたが、化石燃料に依存したことによって今世界は大規模な地球温暖化に見舞われており、このままで環境の変化によってこれまでの生活が維持できなくなることが危惧されています。
温暖化によって南極や北極の氷が溶けだし、海面上昇で都市が沈んでしまったり、作物を育てることが難しくなることで大飢饉が発生してしまう可能性があります。
そのようなことが起きないよう、今世界では持続可能な開発目標、通称SDGsを掲げ、将来の暮らしを守るための取り組みが行われています。
SDGsでは17の目標の中にそれぞれ、2030年までに達成すべき169の具体目標が示されており、化石燃料から脱却し、クリーンなエネルギーをみんなに届ける目標もその一つです。

日本の電力発電の中でも4分の3は火力発電に頼っている

化石燃料は簡単にエネルギーを取り出すことができるため、日本の電力発電の中でも4分の3は火力発電に頼っています。
使われる資源は石油、石炭、液化天然ガスですが、これらの燃料を燃やせば温室効果ガスが放出され、地球温暖化を進めてしまいます。
SDGsの目標を達成するため、日本は2030年までに再生可能エネルギーを38%程度、原子力を22%程度、残りを火力発電にするよう計画をしています。
この結果二酸化炭素排出量は2013年比で45%削減できる見込みですが、再生可能エネルギーを普及させるのは簡単なことではありません。

再生可能エネルギーとして注目されている風力発電

再生可能エネルギーとして注目されているものは太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電などがあります。
太陽光発電はエコと思われがちですが、実はソーラーパネルの生産や破棄にはたくさんの二酸化炭素を排出します。
設置するために森を切り開いてしまうことも本末転倒になりますし、太陽が出ていないと発電ができないのもデメリットです。
そこで注目されているのが風力発電です。
風力発電は一度設置してしまえば半永久的にエネルギーを生産することができ、資源に頼ることなく国産できます。
大きく分けると陸上のものと洋上のものがあり、陸上の場合は強い風が吹きやすい山岳地帯に設置されることが多くあります。
しかし大規模な設備のため、周囲に低周波の振動や騒音が発生することで、近隣住民とトラブルになることもあるのです。
日本は狭い国土の中に1億2000万人以上の人が生活をしているため、田舎の山岳地帯でも人が住んでいる場所が多くあり、設置場所で問題が起きないか吟味しなくてはなりません。
太陽光の場合と同様ですが、夜間でも発電できるものの、風が吹いていないと電気を生産できないのもデメリットです。
風が強ければ強いで問題が起きることもあります。
日本は頻繁に台風に襲われますが、大規模な設備のためメンテナンスコストが高くなります。
冬の山岳地帯では雪による影響を受けたり、沿岸部では塩で劣化していくこともあります。

洋上風力発電についてInfluxの星野敦社長に問う

陸上の設置には様々な問題がある一方、洋上風力発電という選択肢もあります。
日本は国土は広くないものの、排他的経済水域は陸地の12倍、世界でも第6位となっています。
(※詳しくは「Influx Inc(星野敦代表)が進めている洋上風力事業と地域経済活性化についてまとめました。」もご覧ください)

洋上には風を遮るような建物もないため、効率的に風を利用することができ、住民もいないので騒音問題が起きることもありません。
塩の影響で維持管理コストは高くなってしまいますが、低コスト化の課題をクリアすれば有力な発電方法へと成長するでしょう。
最近では海底に固定させず、起き上がり小法師のような仕組みで洋上に浮かばせているタイプの風力発電も普及が始まっています。
この構造は10年以上前から着目されており、小規模試験段階の2012年の台風16号では、最大瞬間風速50メートル、波の高さが17メートルにも達しましたが、安定した構造であることが確認されました。
それから商業化が進み、現在では地産地消の電力発電を行っている自治体もあります。
風車の設置が漁業に影響を与えることも心配されていましたが、風車の海底部分には藻が生え、小さな魚が住み着き、それを食べる大型の魚がやってくるなど、生態系にとってもプラスの影響を当てえていることが確認されています。
新たな漁場となることで地元の漁師も遠出する必要がなくなり、油代を節約することもできます。

まとめ

風力発電設備の設置には初期費用が大きくかかってしまいますが、設備の低コスト化を進め、国や自治体が主体となって事業に取り組むことによって、持続可能なエネルギー源を得ることができます。
国産のエネルギーを持つことは、安全保障の面から見ても重要なことで、将来的には地産地消のエネルギーの導入が進むことが期待されます。
日本は食べ物やエネルギーを海外からの輸入に頼っているため、有事の際に外交の切り札として使われてしまい、弱い立場になる可能性があります。
国産エネルギーの導入は強く国づくりのためにも重要で、他国に頼らない仕組みを作っていくことで安定した国政運営をすることができるようになるでしょう。

最終更新日 2025年7月8日 by donkor

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