近頃は、日本でも米国公認会計士の認知度が高くなっており、試験を受けてみようと考える人が増えています。
しかしながら、この試験ではハイレベルな英語能力と会計能力が求められることを知っておかなければなりません。
USCPAとも呼ばれるこの資格は、世界的に注目されている資格試験であり、とても難易度が高いものであることを理解した上で受験に臨むことが大切です。
米国公認会計士の試験内容
米国公認会計士では4つの分野から出題されます。
「企業や組織を運営するための会計知識」と「経済学概論やIT概論、企業統治と管理会計」、「アメリカ連邦税法とビジネス法規」と「監査手続き、会計士としての責任」の4分野です。
多肢選択問題、穴埋めや記述などによって出題が行われ、各科目で75点以上のスコアを獲得すると合格となります。
全ての科目で高得点を獲得する必要があり、科目合格の有効期限は18か月なので、この期間内に4科目合格すれば資格が取得できるでしょう。
合格が失効したものは1度受かっていても再受験が必要です。
科目ごとの合格率は50%前後ですが、全科目合格を達成している人は30%以下となっています。
これは世界的な合格率であり、日本人だけに焦点を当てると科目ごとの合格率で34%前後です。
日本人の全科目合格率は公表されていませんが、科目ごとの合格率から全科目合格者はかなり少ないことが分かります。
試験に合格するまでには約1,000時間の学習時間が必要
幅広い分野で高得点を獲得する必要があるので、試験に合格するまでには約1,000時間の学習時間が必要だとされています。
もちろん、人によってこれより短い時間で合格できることもあれば、もっと長い時間をかけなければ合格できないこともあるでしょう。
独学で合格することは難しく、予備校に通う人が多いです。
社会人が週に2回3時間の予備校に通いながら、自宅でも毎日2時間学習を行ったと仮定します。
これを毎日続けることができれば、1週間につき20時間の勉強を確保することができるので、これを50週間、つまり1年ほど継続すると1,000時間という学習時間が達成可能です。
仕事の忙しさや家族サービスなどを理由に、この通りに勉強できない可能性が高いと言えます。
現実的に考えると、1年半から2年ほどかけて学習を続けることになり、こういったペースで試験に臨んでいる人が多いことを知っておきましょう。
予備校を利用すると講師に疑問点を尋ねることができる
もしも、独学で米国公認会計士の学習を進めるのであれば、さらに長い勉強時間が必要となります。
予備校を利用すると講師に疑問点を尋ねることができるので、問題を解決するために時間をかけずに済むでしょう。
自分自身の力だけで勉強していく場合は、問題解決に時間がかかってしまうことが多いので、1,200時間以上の時間がかかってもおかしくないです。
独学で合格したという体験談を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、この場合は予備校に通うよりもかなり長い勉強時間が必要になる可能性が高いことを理解しておきましょう。
金銭的な理由や忙しさが理由となって予備校に通えない人もいるはずですが、取得までのスピードを重視する場合は予備校を利用することがおすすめです。
まとめ
米国公認会計士の試験はとてもレベルが高く、簡単に合格できるものではないと言えます。
日本人では合格者が少ないので、この資格を取得していれば様々な場所で重宝される人材になることは間違いありませんが、試験の難しさや必要な勉強時間を知っていなければ挫折してしまう可能性が高いです。
まだ合格者が少ないときだからこそ、受験することがおすすめだと言えますが、その前には合格率や勉強方法についての正しい知識を持っておくようにしてください。
具体的な難易度や勉強時間を知った上で適切な計画を立てて学習を進めると、合格に近づくことができるはずです。
最終更新日 2025年7月8日 by donkor